元林院・南市界隈
 奈良随一の繁華街、もちいどの通りと東向通りの東側に位置するエリア。モダンな商店街から裏通りに一歩足を踏み入れると、格子を持った町家が軒を連ね、タイムリップ感覚が味わえる。南市・元林院界隈は古くからの色街で、いまでもその風情がうかがえる。
藤原不比等が平城遷都の折、氏寺として興福寺を創建したとき、その放生池として造成されたのが猿沢池だ。その水面に五重塔が映る構図は、奈良を代表するイメージひとつ。猿沢池の南西畔に建っている灯籠は、大和盆地を南北に走る重要な街道「上ツ道」の始点の目印だ。西国三十三ヶ所第九番札所の興福寺と、第八番札所の長谷寺を結ぶ、欠くことの出来ない交通の要衝だ。また、奈良町の人々が伊勢参りをした伊勢講の出発点として大きな意味を持つ。
 もちいどのを漢字で書けば餅飯殿。昔ここに箱屋勘兵衞という武勇の達人が住んでいた。彼はよく吉野の理源大師のもとに通っていたが、その時に大師の好物の餅や飯を持参したので、たわむれに餅飯殿との呼び名が付いたのだ。勘兵衞と理源大師には、大蛇を退治した武勇伝も伝えられている。
◆お薦めスポット
●興福寺
●五十二段と六道の辻
●高札(こうさつ)
●絵屋橋
●道祖神社
●恵比寿神社
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