「薬効いろいろ、秋の七草」
No22(2000年10月掲載)
●オミナエシ(オミナエシ科)日当たりのよい草原などに生える多年草。根が解毒、利尿によい。
●キキョウ(キキョウ科)山地、野原などに生える多年草。根が扁桃腺によい。
●クズ(マメ科)山野、河原などに生える蔓状の多年草。葛根は風邪薬として有名。
●ススキ(イネ科)日当たりのよい平地や山に生える多年草。
●ナデシコ(ナデシコ科)日当たりのよい草原や河原等に生える多年草。種子がむくみ生理不順に。
●ハギ(マメ科)日当たりのよい山地などに生える落葉低木。根の皮がめまい、のぼせによい。
春の七草とならんで、秋の七草も、万葉集にうたわれているとおり、昔から日本人に親しまれてきた植物。
萩の花 尾花葛花 なでしこが花
をみなえし また藤袴 朝顔が花
   山上憶良(万葉集 巻八)
 最近は、すべてを覚えている人も少なくなっている。ある人が、春の七草と同様に、短歌のリズムにのせて、名前をならべているのを読み、これは覚えやすいと思ったので紹介しよう。「ハギ、キキョウ、クズ、オミナエシ、フジバカマ、ススキ、ナデシコ、これぞ七草」。尾花とはすすきのことで、朝顔というのはキキョウのことだと言われている。春の七草のように粥にして食べたりはしないが、お月見の鑑賞や、ススキ以外は薬用にも利用される。
 ほとんどが日当たりのいい山地や小川などに生える。もともとどこにでもあったはずの七草だが、フジバカマ、キキョウ、オミナエシ、ナデシコなどは、野山の開発が進むにつれて、貴重な種になりつつある。見つけても、安易に採集しないで、風景といっしょに写真におさめて帰るのが望ましい
●フジバカマ(キク科)山野、小川の土手などに生える多年草。皮膚のかゆみ、糖尿病によい。