奈良の昔話 第一巻 好評再販発行
(ならのむかしばなし)
〜奈良町編〜 増尾正子著

 ここに描かれている「奈良町」は、奈良時代、東大寺、興福寺、春日大社、元興寺などの大伽藍が軒を並べた、平城京の外京として誕生した地に相当します。平安京に遷都した後も、社寺に関わる人々の住まいが境内地に並ぶようになり、日本で最初の町が形成されていきます。さらに、社寺の衰退に従い、「奈良晒」に関わる職人や「南都観光」に従じる人々の町家が軒を並べるようになり、現代まで千数百年もの間、人が絶えることなく住み続けた希有な町として、近年、注目を集めています。
 著者、増尾正子の生家は、平成10年12月に世界遺産の指定を受けた元興寺の元境内地の元興寺町で、約150年前の安政元年に大和茶と炭の店を始め、次第に砂糖の取扱を主とし、現在も「砂糖傳」として、綿々と営業を続けております。本書は、著者が祖父や祖母から伝え聞いた事、そして見聞きして覚えている事、さらに、「奈良町」を訪れた方により良く伝えようと調べた事などを、タウン誌「マイ奈良」に連載したものを、加筆編集いたしました。「奈良町」が紡いできた何世代にもわたる人々の生き様は、建造物や石仏などの有形物、仕来りや言い伝え、行事などの無形物として、現在に受け継がれてきました。「奈良の昔話〜奈良町編〜」をお読みいただくことにより、その受け継がれた町の魅力を、先人の知恵として、ご理解していただく一助となれば、と考えています。

●データ/A5変形 184ページ カバー装 
定価840円(本体800円+税)
編集/まほろば 出版局
発売/株式会社ブレーンセンター
    ISBN4-8339-0422-5
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